スポーツ外傷・障害

足関節捻挫(前距腓靭帯損傷)

受傷の仕方、症状

 サッカーやバスケット、バレー、野球、テニスなどハードに走り回るスポーツにおいて、疾走状態で足を踏みはずしたとか、他の選手の足の上に着地するなどして、足を強度に内反強制されて負傷します(図1)。外くるぶし周辺が、内出血して腫れてきます。また痛みのため歩きにくくなります。

 小学高学年から中高までの学校のスポーツ外傷で、最も頻度が高いケガです。多くは前距腓靭帯(図2)の損傷を伴っていますので、放置せずしっかり治療しないと、損傷した靭帯が充分修復できないため、関節の不安定性を後遺してしまいます。

足関節捻挫_01

(図1)

足関節捻挫_02

(図2)クリックで拡大

 

治療

 表1のように、靭帯損傷の程度は、1度から3度に分類すると分かりやすいです。3度になるとひどく腫れています。1度では腫れはあまりありませんが、圧痛で診断できます。

 1度の損傷であれば、湿布包帯固定やサポーター固定程度で済む場合もあります。私は2度と3度では、原則的に三週間のギプス固定をするようにしています。ギプス除去の後は特殊な装具(サポーター)を用いて、損傷靭帯の更なる保護と再発予防を図りつつ、スポーツ復帰まで、筋力強化や靭帯機能回復のための理学療法を行います。ギプス除去から一週間くらい経てば、ストレッチや柔軟体操など別メニューで復帰を目指します。

 なお3度の損傷では、年齢や生活背景を考慮して、手術的に靭帯縫合を行う場合があります。腰椎麻酔下に30分程度で遂行できる、比較的侵襲の軽い手術です。

(表1)

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