その他 悪性骨腫瘍 症状 悪性骨腫瘍には、10歳代に発症しやすい骨院腫に代表される原発性骨腫瘍と、肺癌や乳癌の骨への転移に代表される転移性骨腫瘍があリます。悪性骨腫瘍全体では転移性骨腫瘍が大半を占めます。各腫瘍に特有な症状はあリませんが、けがをしないのに痛みや腫れが出現し、長く続いたりすることが多いようです。骨がもろくなり、骨折して発見されることもあります。原発性骨腫瘍は膝や股関節、肩などの近くに生じることが多いのですが、転移性骨腫瘍は脊椎にも高頻度に出現します。 左大腿骨骨肉腫(19歳男性) 左膝周辺の著明な腫れ 腫瘍部のX線(レントゲン)像 肺癌の大腿骨転移(59歳女性) 癌転移部のX線像 原因・病態 原発性悪性脅腫瘍の多くは病因がはっきりとわかっていません。一部の腫瘍では、その腫瘍に特異的な遺伝子の異常がわかつていて、研究が進められています。遺伝子の異常といっても、ほとんどの場合、遠伝したりすることはあリません。転移性骨腫瘍は、原発癌の悪性細胞が主として血液やリンパの流れを介して骨(骨髄)に運ばれること(転移)によって起こリます。 診断 骨のX線写真を撮り、骨の内部に異常が認められるときに疑います。MRIや骨シンチグラフィーなどの画像検査を行えば、たいがいは腫瘍であることがわかりますが、診断をはっきりさせるためには病変部の細胞を取リ出して顕微鏡で検査を行う必要があります。 転移性骨腫瘍の場合は、癌にかかったことのある患者さんで、X線写真や骨シンチグラフィーで異常所見があるときに疑います。血液中の腫瘍マーカーの測定が有用なこともあります。 大腿骨骨肉腫(12歳男性) X線での異常像 MRIでの異常所見 骨シンチクラフィーでの異常集積 治療 原発性骨腫癒 悪性骨腫瘍と診囲された場合には専門の施設で治療を行う必要があります。 悪性度の高い腫瘍では、まず化学療法(抗癌剤による治療)を行います。次に、 手術が可能であれば腫瘍を切除します。手術で切除したところを元に戻すためには、人工関節を入れたり、他の場所から骨を移植する方法などがとられます。場合によっては、四肢を切断することもあります。手術のあとは、化学療法を再び行います。化学療法を行わず、手術のみを行うこともあります。 予定した治療が終わったあとも、再発や転移の有無を確認するために5年程度は定期的に外来で経過をみる必要があります。 人工関節手術 骨折予防手術 転移性骨腫瘍 もともとの癌、たとえば肺癌や乳癌を担当した医師と共同で、抗癌剤、放射線治療、ホルモン治療、骨吸収抑制剤などを用いた治療を行います。骨折したり骨折の危険性がある場合には手術を行うこともあります。 ガングリオン 前の記事 陥入爪(巻き爪) 次の記事