スポーツ外傷・障害 肉離れ 病態・症状 筋肉は筋線維の集合体ですが、筋線維は何本かが束になっていて、周囲を膜で包まれています。この膜には血管が豊富で、ここから出血した状態が肉離れです。当然程度がひどくなると、筋線維自体も伸びたり切れたりします(図1)。一般的にはスポーツ活動にて、筋肉の短縮性収縮よりも伸張性収縮にて生じやすいといわれています。また、筋肉の一部に偏った大きな力が加わると、起こりやすいと考えられます。強いこむら返りの後に発症することもあります。ダメージがひどいほど、筋収縮と反対方向に関節を曲げづらくなります。 ほとんど下肢に発生します。成人では下腿三頭筋に発生することが多いのですが、成長期のアスリートでは大腿四頭筋やハムストリングにもよく起こります。 (図1) 治療 初期には安静の上、内服薬や外用薬を処方し、包帯固定などを行い、治癒を促します。慢性期ではマッサージ、ストレッチなどで血行を良くし、回復を目指します。 スポーツ復帰の目安 ストレッチ痛が取れて、健側と同様の通常のストレッチ感になるまで、運動強度の強いジャンプやダッシュは避けます。下肢の太さ(COLやCOT)を測定して健側と同様になると安心できます。 つき指・側副靭帯損傷・マレット変形 前の記事 シンスプリント 次の記事