筋力アップで運動器疾患や生活習慣を予防しよう
当院では、筋量および筋力アップに有効なトレーニングマシン12機種を設置しております。ウエイト(重り)により負荷を調整し、マシンに設定された動きを忠実に繰り返すことで、効果的に筋力アップできます。
筋肉が増え、筋力がアップすると
運動器(筋・骨格・神経系など)の衰えを予防できます。身体能力を向上させ、良い姿勢の保持や転倒予防にもつながります。また、筋量が増加すると、基礎代謝量が増え、相対的に体脂肪が減少し、太りにくい体になるので、生活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症等)の予防や健康増進にも有効です。
有酸素運動と無酸素運動の違い
有酸素運動(エアロビクス)とは、継続的で比較的弱い負荷が筋肉にかかり続ける運動で、ウォーキングやジョギング、エアロビクス、エアロバイク、ゆっくりした水泳等です。エネルギー産生に、体内に蓄えられている脂肪と糖を酸素を使って燃焼させます。20分以上続けると効果的に脂肪燃焼するといわれています。
無酸素運動(アネロビクス)とは、運動中に呼吸をしていないということではありません。瞬間的に強い負荷が筋肉にかかる運動で、筋力トレーニングや重量挙げ、短距離走等です。エネルギー産生に、筋肉に貯めておいた糖質を使います。酸素を使わないので、短時間しか持続できませんが、効率的に行うことにより筋量・筋力を増やし、その結果、基礎代謝量が高まります。基礎代謝量が増えると太りにくい体質になり、生活習慣病の予防や健康増進にもつながります。
また、無酸素運動の最終代謝産物である乳酸は、成長ホルモンとアドレナリンの分泌を促進します。成長ホルモンは、脂肪を分解し、蛋白を合成する、一石二鳥のホルモンです。従って、無酸素運動の後に有酸素運動を行うと、成長ホルモンの作用で、より効果的に脂肪を燃焼させることができます。
筋力トレーニングはどのように行えばよいのか
筋力アップはコアマッスルをはじめ、全身の大きな筋肉を網羅して、バランスよく行う必要があります。筋肉のアンバランスは、肉離れ等のスポーツ障害の原因となることもあります。
マシントレーニングの強度と頻度については、最大筋力の7割以上で、10回の反復で疲労困憊(all out) する程度で行います。持ち上げた重りを急激に下ろして、筋を過伸展しないように、重りを重力に逆らいながらゆっくり元に戻すと、より効果的です。切り返しの時に、音を立てないようにするのもコツです。30秒~1分程度休息しながら、3セット実施します。週3回が理想ですが、強度を上げれば週2回でも有効です。トレーニングによる筋量を測るため、3か月に1回程度、イン・ボディ(体内成分測定)を実施すると、成果が数字に反映されます。
無酸素運動(マシントレーニング等) と有酸素運動を両方される方は、無酸素運動を最初に行うほうが効果的です。筋力トレーニングによって、成長ホルモンやアドレナリン等の分泌が促進されるため、有酸素運動の脂肪燃焼効果が高まるからです。なお、有酸素運動の至適運動強度は、下記をご参照ください。
実施する際の注意事項など
- それぞれのマシンの特性をよく理解して行ってください。
- 運動中は息を止めず、必ず呼吸状態で実施してください。息をこらえて力むと血圧が上がります。血圧の高い方は特に注意してください。
- 心疾患や高血圧等ある方は、無理をせず注意しながら実施してください。
- 体調の悪い時は、トレーニングは休みましょう。
- 汗をかいたら水分補給しながら実施しましょう。
無酸素運動は、有酸素運動より身体への負担が大きいですから、しんどく感じるかもしれません。初めのうちは無理をしない範囲で行い、徐々に負荷を上げていきましょう。トレーニングにより、乳酸が生成されますので筋肉痛は必発です。乗り越えなければなりません。3か月・6か月・1年とモチベーション豊かに取り組み、負荷が徐々に上がることにより、筋力・筋量アップを確認できます。安全で効果的な筋力トレーニングを行い、運動器疾患と生活習慣病を予防しましょう!!
マシントレーニングの方法を指導させていただきます。興味のある方は、職員にお尋ねください。